Vol.52 Regional Edition

▲レジオナルシガーが毎月1本必ずやって来る!シガーダイレクトクラブ ワールドツアー開催中!

 先月のコラムはいかがでしたか?
 バーのネタになりましたか?
 52回目は、その地域でしか吸うことができない特別なハバナシガーである、レジオナルシガーの話。
 シガーダイレクトクラブのワールドツアーでも注目を浴びているレジオナルについて、ヒロ嶋田さんが語ってくださいます!

 今回のコラムも楽しみですね!  (2011年9月)


ヒロ嶋田さんご紹介

長くシガーダイレクトのシガーアドバイザーをつとめてくださったヒロ嶋田さん。シガーに関する専門コラムである「スモーキートーク」は、シガーダイレクトの各種ページの中でも常時ベスト3に入るほど、固定のファンがいらっしゃいます。
「なんでも鑑定団」の喫煙具鑑定士さんも「あいつの舌は特別」と
おっしゃっていたのをお聞きしたことがあります。

「葉巻は嗜好品である。
自分の生活スタイルに色づけをする小物にすぎない。
大切なことは人の意見に振り回されることなく自分流を演出しよう。」
というスタンスは今も変わることなく、今月も原稿が届きました。


レジオナルシガー

▲ラモンアロネス グラディエーター
 シマジのシガーレビューで97点を獲得!


▲ポールララナーガ ロスアンデス
 シマジのシガーレビューで95点を獲得!

レジオナル・シガーとは、特定の地域向けに一定期間だけリリースする限定の葉巻のことを指す。

「リミターダの誘惑」でも書いたが、一般市場向けに特別にリリースした葉巻のひとつで、リミテッドのように世界市場向けではない。
限定した国や地域を対象に限定生産され販売される。

生産される葉巻は、全く新規の形のものもあるが、過去に製造中止にしたものもある。製造中止になった葉巻を復刻する理由は、発売地域で過去に人気があった製品だったり、その地域での今後のブランド展開を睨んでのことだったりする。

また、新規の製品は、市場リサーチの役割もする。
いずれにしても、葉巻ビジネスの拡大を狙った企画といえる。

現在のたばこビジネスは、縮小傾向にある。葉巻であっても同様だ。
2000年にリミテッドをリリースして、ハバナは売り上げを伸ばしてきた。
しかし、それも、徐々に翳りが見えてくる。
次のドジョウは、新しい企画を用意する必要がある。
それが、レジオナル・シガーだ。

レジオナル・シガーは、プレミアムブランドと呼ばれる、「コヒーバ」「モンテクリスト」「トリニダッド」「ロメオyフリエッタ」「パルタガス」などの世界各国で人気の高いブランド除いて、リリースされる。
所謂、セコンドブランドと呼ばれるものだ。
ただひとつの例外は、モンテクリストのエドモンドで、2007年メキシコでリリースされた。
レジオナル・シガーの生産は、1年〜2年行われ、この期間で、売れ行きの良好だった葉巻はその後、世界市場に向けてリリースされる。



リミテッドとレジオナルの違い

▲レジオナルシガー


▲リミテッドシガー
それぞれ2本目のリングとラッパーの色が
違うのがわかる

リミテッドとレジオナルは限定生産であり、特別に巻かれたという点で、同じように捉えがちだが、全く違うものだ。
その違いは、外見からも明らかだろう。

まず、レジオナルは、ラッパーにはクラロを使用する。
リミテッドが、2年以上熟成したマデューロラッパーを使用するのとは違い、ノーマルものだ。
そして、リミテッドと同様にダブルリングを採用するが、リミテッドが黒と金のラベルであるのに対して、レジオナルの場合は、赤と銀のラベルを使っている。このラベルは、クラロという目立たない色から浮き出し、人目を引く効果がある。

レジオナル・シガーに使用される箱は、リミテッドの平箱に対して、SLBという上蓋がスライドするキャビネタイプが中心だが、例外もある。
中に収められた葉巻はキャビネット同様、黄色いリボンで全体を巻かれている。このリボンはメディア・エルダと呼ばれ、「人生の半分」を意味する。

もちろん、リミテッドで使用するピアノ塗装のような豪華なBOXではない。
しかし、キャビネットBOXには、ひとつの信仰がある。
それは平箱よりも、より良い熟成を可能にするという。

リミテッドシガー レジオナルシガー
ラッパー マデュロー ノーマル
リング 禁と黒のラベル 銀と赤のラベル
ボックス 化粧箱 SLB
その他 黄色いリボン
(メディア・エルダ)
で巻かれている


確かに同じブランドの葉巻でもキャビネットセレクションと通常の平箱では味が違う。
その昔は、クオリティの高い葉巻だけを集めて、50本入りの箱を作ったと言われているが、現在では特別な選択を行ってはいない。にもかかわらず、良い熟成を行えるのは、箱に入れられた葉巻に充分な隙間があるため、空気の循環がスムースだからだ。
とすれば、レジオナル・シガーを箱のまま熟成させれば、数年後には面白く化けていることだろう。

レジオナル・シガーは、2005年にスタートした当時、パンチとラモンアロネスの2ブランドで4種だった。
それが、2009年のリリースは、24種までに増加している。今年はどこまで増えるのか。
レギュラーを犠牲にして、新しい製品を生み出すことは、葉巻の未来を明るくするものではない。
レジオナルが「ハレ」の葉巻であって欲しいと思う今日この頃だ。




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ヒロ嶋田のスモーキートーク
バックナンバー
Vol.1 7C‘s
7つのCとは・・?
Vol.2 クリント・イーストウッドとシガー
シガーの似合う俳優といえば・・
Vol.3 Cigar in the movie
映画の小道具としてのシガー
Vol.4 Humidor
ヒュミドールってなんですか?
Vol.5 Humidor2 "Keep your cigar"
葉巻をおいしく保管しましょう。
Vol.6 What is Cigar?
葉巻とタバコの違いって?
Vol.7 What is Cigar 2?
タバコの葉、見たことありますか?
Vol.8 What is Cigar 3?
たばこの価値はどれくらい?
Vol.9 What is Cigar ? 4
葉巻に潜む脅威!その名も「葉巻虫」
Vol.10 Tobacco Leaves
たばこ畑って、まだ都市圏にもあるんですよ。
Vol.11 This is Cigar
実は美味しいショートフィラー。
Vol.12 This is Cigar2
おいしい葉巻は職人技が支えてるんです。
Vol.13 葉巻の色は?
ラッパーの色ってこんなにあるんです
Vol.14 葉巻を造る
葉巻工場の秘密兵器とは?
Vol.15 コヒーバの光と陰
コヒーバの知られざる影とは?
Vol.16 コヒーバの闇に埋もれた男(前編)
コヒーバの知られざる影とは?
Vol.17 コヒーバの闇に埋もれた男(後編)
コヒーバの知られざる影とは?
Vol.18 葉巻の香り
葉巻とお酒のマリアージュ!
Vol.19 葉巻の保管(夏編)
夏の湿気対策は?
Vol.20 All About Dupont(前編)
いつかはデュポン
Vol.21 All About Dupont(後編)
ライターと映画の関係
Vol.22 いたりあ紀行(前編)
地球の裏側で見たタバコ文化
Vol.23 いたりあ紀行(後編)
ところ変われば・・・イタリアにて
Vol.24 「褻」と「晴れ」
シガーとハレの関係とは?
Vol.25 宴の後
宴(ハレ)の後・・・
Vol.26 夏の煙管
日本の技術が支える!独自のたばこ文化
Vol.27 夏の煙管2
刻みたばこってこんなに細いんです
Vol.28 夏の煙管3
煙管のメンテナンス
Vol.29 夏の煙管4
煙管の吸い方
Vol.30 クリスタルヨットクラブにて
シガーダイレクトクラブクラブミーティングに参加して
Vol.31 煙管5
夏だけじゃない、着物に煙管を粋に合わせるには?
Vol.32 Anniversary Cigar 1
記念日にシガーを贈る。そんな風習があるんです
Vol.33 Anniversary Cigar 2
大事な日だからこそ、特別なシガーを贈りたい
Vol.34 シガーの選び方
誰も教えてくれない選び方の極意とは?
Vol.35 キューバからの贈り物
リングがないシガーの正体は…?
Vol.36 リミターダの誘惑(前編)
そもそも、リミテッドシガーとは…?
Vol.37 リミターダの誘惑(中編)
リミテッドシガーが生まれた理由とは?
Vol.38 リミターダの誘惑(後編)
リミテッドの歴史を追う!
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ベーイケ52をいち早くレポート!
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紙巻きのたばこについて
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ヒロ嶋田流!ドローとブローについて!
Vol72 シガースモーカーのためのパイプ
まるで葉巻みたい!不思議なブライヤーシガー
Vol73 葉巻の煙
ヒロ嶋田さんの葉巻に関するエピソード
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香りがもたらす様々な効果
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大人の嗜好品としてのたばこ
Vol76 キューバンダビドフの誘惑
憧れの葉巻 キューバンダビドフ
Vol77 キューバンダビドフの誘惑 後編
幻の葉巻 キューバンダビドフ
Vol78 キューバンダビドフの誘惑 宴の後
幻の葉巻 キューバンダビドフ
Vol79 なんとなくフェイク
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その人に思いをはせてシガーの満足を伝える
Vol81 栗名月
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Vol82 徳大寺有恒氏追悼
ヒロ嶋田さんから、徳大寺先生へ
Vol83 スパイス
シガーとスパイスの相性とは
Vol84 ペリクという名のスパイス
たばこ界のスパイス「ペリク」とは
Vol85 雪解けの憂鬱
キューバとアメリカ、国交正常化
Vol86 雪解けの憂鬱 2
キューバとアメリカ、国交正常化
Vol87 雪解けの憂鬱 3
アメリカとキューバの現在
Vol88 モノクロームの景色 たばこが消える日
PP法とたばこの未来
Vol89 たばこが消える日 1
喫煙業界の未来と、たばこ最後のCM
Vol90 たばこが消える日 2
たばこの広告文化の栄枯盛衰
Vol91 たばこが消える日 3
たばこから始まる、文化の終わりの予兆
Vol92 たばこと文化 1
たばこが風習から文化になるまで
Vol93 たばこと文化 2
日本で花開いた、独自のたばこ文化
Vol94 たばこと文化 3
華のお江戸で栄えたたばこ関連の仕事


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