人気コラム!50回記念!

「へー、そうなんだ!」という話がいつか一人歩きして、
いろんな雑誌や対談や、WEBに利用されていったヒロ嶋田の人気コラム。
「シガーは毎回吹いて苦い煙を追い出して、おいしく最後まで吸う」
「火をつけるときはエッジだけをあぶると辛くならない」
なんて、実は全部このヒロ嶋田のスモーキートークが始まり!
昨日ささやかに専属シガーアドバイザー、ヒロ嶋田さんとお祝いしてきました。
次は100回目指してがんばりましょう、嶋田さん!(武田)




Vol.50 手巻きたばこ 2

▲「手巻きタバコSTYLE BOOK」別冊LEON
趣味嗜好は奥が深いなあ、と思います。(武田)
 先月のコラムはいかがでしたか?バーのネタになりましたか?

 50回目は、手巻きタバコにまつわる話。
 再度注目を浴びている手巻きタバコについて、
 ヒロ嶋田さんが語ってくださいます!

 今回のコラムも楽しみですね!
 (2011年7月)


ヒロ嶋田さんご紹介

長くシガーダイレクトのシガーアドバイザーをつとめてくださったヒロ嶋田さん。シガーに関する専門コラムである「スモーキートーク」は、シガーダイレクトの各種ページの中でも常時ベスト3に入るほど、固定のファンがいらっしゃいます。
「なんでも鑑定団」の喫煙具鑑定士さんも「あいつの舌は特別」と
おっしゃっていたのをお聞きしたことがあります。

「葉巻は嗜好品である。
自分の生活スタイルに色づけをする小物にすぎない。
大切なことは人の意見に振り回されることなく自分流を演出しよう。」
というスタンスは今も変わることなく、今月も原稿が届きました。


シャグとシガレット
シガレットとシャグとは、似て非なるものといっても過言ではない。
それは、保存の方法を見ればよくわかる。
シガレットが、水濡れ厳禁なのに対し、シャグの場合は、保湿が必要だ。

▲映画「パルプ・フィクション」
トラボルタがユア・サーマンに紙巻タバコを巻き上げて渡す。むむ!カッコいー。


シガレットには、葉が乾燥を防止する措置を施してあるので、それ以上の加湿はたばこを劣化させるもとになる。
また、たばこの巻紙が湿気を吸収すると着火が難しくなる。

それに対して、シャグの葉は加湿をすることによって、たばこの香りを霧散させることなく閉じ込める。
保管湿度の目安は、65〜70%だ。これはパイプたばこや葉巻を保管する場合と同じくらいである。

シャグたばこの葉は、幅0.7ミリ以下に細刻みにしてある。
刻み幅をパイプたばこと比べると随分細く、均一に刻んである。
たばこの刻みを均一にすることで燃焼を安定させ、たばこの喫味を堪能することできる。

シャグをよく観察してみると、たばこの葉の中に、筋のような葉の色とは違う何かが混じっている。
これを中骨(ちゅうこつ)という。中骨は、たばこの葉の主葉脈で葉の真ん中に通っている部分だ。

中骨は、たばこの増量剤の役目もしている。
増量剤といわれると、不純物を混ぜていると受け止める向きもあるだろうが、決してそのようなものではない。
たばこに中骨を混ぜ込むことにより、マイルドなたばこに仕上げることが出来る重要な材料だ。



「ストレート」と「フレーバード」
シャグは、たばこの葉に香りを加えない「ストレート」と製造過程で加香した「フレーバード」とがある。

▲「マイ・ブルーベリー・ナイツ」2007年製作
ジュード・ロウ主演
細く巻いた手巻きタバコを片手に、カフェの前で女性を待つジュード・ロウ。私たちも男の色気をアップさせることができるか。

フレーバードには、人工の香料のものと天然の香りのものとに分けられる。

天然の香りとしては、パイプにも使用される香料のひとつで、ラタキアがある。
もともと、キプロスやシリアや中東周辺で作られているたばこだ。
トルコ近辺で栽培されているたばこの葉を、らくだの糞で燻す。
それにより、独特の燻臭をもつたばこになる。

しかし、最近ではらくだの糞の入手が難しくなり、木片で燻しているとの情報もある。
ラタキアは紙巻にしてストレートで喫煙するには、向かない。たばこに少量を混ぜて、スパイスのような役割をさせる。
この際、混ぜ込む量を増やせば、喫味は当然、濃く強い。

人工の香料は、いろいろな植物からエッセンスを抽出する。
それをパイプたばこと同じくように製造過程で葉に直接加えていく。これを加香という。 

加香の代表例としては、ミントの香りを添加したメンソールが有名だ。
たばこに、ミントの葉を乾燥して混ぜ込んでも、「はっか」香はしない。
それどころか雑味が混じるだけだ。これは、誌中でフランス人が紅茶を混ぜて、
喫煙するというのが紹介されていたところにも言える。

実際、筆者も紅茶をシャグに混ぜて喫煙してみた。
紅茶の量を多めにすると紅茶から出る香りや甘みが感じられるが、それと共に苦味もでる。
紅茶を少量にするとその甘みは失われる。
しかし、少量でも紅茶を加えることによって、たばこの甘みは感じにくくなる。

フランスで、シャグに紅茶を混ぜるのは、たばこに掛けられる税金が高いために
増量剤として紅茶を利用しているのではないだろうか。



フリーバーニングとスローバーニング

ストレートタイプは、単葉という一種類のみ原料を使用して製品にしたものとたばこをブレンドした製品とがある。

▲「マルタの鷹」1941年製作
ハンフリー・ボガート主演
手巻きタバコをスマートに吸う。男の永遠のお手本はボギーか。

例えば、ストレート・ヴァージニアはインドのマイソールだけで作られたり、
同一産地同一種のたばこのみで作られたりした製品。他にもバーレーやオリエントなどがある。

ヴァージニアブレンドは、レッド・ヴァージニア、イエロー・ヴァージニア、日干乾燥のバージニア等の
数種類の同一種をブレンドしたものがある。シャグはバージニアを主体にする製品が多いが、
中には葉巻の葉を使用したものもある。

たばこのタイプとしては、アメリカンブレンド、イングリッシュミックスチャー、コンチネンタルなどの分類がある。
アメリカンブレンドは、一般的に流通しているシガレットの多くが、これに当たる。
バージニアを主体にバーレーやオリエントを少々。
シガレットを喫煙すると独特のパンチを感じるのは、バーレーキックといわれるバーレー種の仕業だ。

イングリッシュミックスチャーは、バージニア単体または、数種類のバージニアをブレンドして作る。
バージニア種は、生産される場所によって味わいが、微妙に異なるため
これをブレンドすることによって、たばこに個性をもたらす。

コンチネンタルは、バージニア、バーレー、オリエントをブレンドし、香料を加えてつくる。
他にもオリエントのみで作られるたばこもある。
オリエントは、小さめのたばこ葉で、薫り高く喫味が濃い。
オリエントを使って丁寧に巻かれた葉巻は、ハバナにも負けない味わいになる。
オリエントで作ったシガレットの代表は、ゲルベゾルテやラムセスU世キリアージなどがあった。
ただ、残念ながら現在の日本で手に入れることは不可能だ。

さて、宝船を手で巻いてみた。宝船は、アメリカンブレンドのたばこだから、シャグには向くはずと思っていた。
葉の刻みも細かいので、スローバーニングで喫煙すれば、バージニアの甘みも感じやすいだろう。

宝船を、シャグのローラーで巻いてみる。不揃いのたばこだと、ローラーが引っかかり回すのが大変だが、
宝船の場合はスムースにローラーが噛合い回ってくれる。紙を差込みシガレットにすると断面が綺麗な丸になる。
着火もキセルのときと同様に、火着きは良い。甘みと、しっかりした喫味で楽しめた。


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ヒロ嶋田さんへのメッセージ(1件)
紙巻タバコは吸ったことがありません。
しかし、タバコが高くなってしまったら、
こういうのを自分のスタイルにする人がいてもいいだろうな、と思いました。
嶋田さんと武田さんって、仲がいいんだなと感じますが、
武田さんの秘密の裏話なんかあったらおもしろいだろうなあ、
きっと書けるのは嶋田さんだけじゃないかな、なんて思うんですが。

(柔道・ローさん)




当コラムについての著作権はすべてヒロ嶋田氏に帰属します。
お問い合わせはシガーダイレクトまで

ヒロ嶋田のスモーキートーク
バックナンバー
Vol.1 7C‘s
7つのCとは・・?
Vol.2 クリント・イーストウッドとシガー
シガーの似合う俳優といえば・・
Vol.3 Cigar in the movie
映画の小道具としてのシガー
Vol.4 Humidor
ヒュミドールってなんですか?
Vol.5 Humidor2 "Keep your cigar"
葉巻をおいしく保管しましょう。
Vol.6 What is Cigar?
葉巻とタバコの違いって?
Vol.7 What is Cigar 2?
タバコの葉、見たことありますか?
Vol.8 What is Cigar 3?
たばこの価値はどれくらい?
Vol.9 What is Cigar ? 4
葉巻に潜む脅威!その名も「葉巻虫」
Vol.10 Tobacco Leaves
たばこ畑って、まだ都市圏にもあるんですよ。
Vol.11 This is Cigar
実は美味しいショートフィラー。
Vol.12 This is Cigar2
おいしい葉巻は職人技が支えてるんです。
Vol.13 葉巻の色は?
ラッパーの色ってこんなにあるんです
Vol.14 葉巻を造る
葉巻工場の秘密兵器とは?
Vol.15 コヒーバの光と陰
コヒーバの知られざる影とは?
Vol.16 コヒーバの闇に埋もれた男(前編)
コヒーバの知られざる影とは?
Vol.17 コヒーバの闇に埋もれた男(後編)
コヒーバの知られざる影とは?
Vol.18 葉巻の香り
葉巻とお酒のマリアージュ!
Vol.19 葉巻の保管(夏編)
夏の湿気対策は?
Vol.20 All About Dupont(前編)
いつかはデュポン
Vol.21 All About Dupont(後編)
ライターと映画の関係
Vol.22 いたりあ紀行(前編)
地球の裏側で見たタバコ文化
Vol.23 いたりあ紀行(後編)
ところ変われば・・・イタリアにて
Vol.24 「褻」と「晴れ」
シガーとハレの関係とは?
Vol.25 宴の後
宴(ハレ)の後・・・
Vol.26 夏の煙管
日本の技術が支える!独自のたばこ文化
Vol.27 夏の煙管2
刻みたばこってこんなに細いんです
Vol.28 夏の煙管3
煙管のメンテナンス
Vol.29 夏の煙管4
煙管の吸い方
Vol.30 クリスタルヨットクラブにて
シガーダイレクトクラブクラブミーティングに参加して
Vol.31 煙管5
夏だけじゃない、着物に煙管を粋に合わせるには?
Vol.32 Anniversary Cigar 1
記念日にシガーを贈る。そんな風習があるんです
Vol.33 Anniversary Cigar 2
大事な日だからこそ、特別なシガーを贈りたい
Vol.34 シガーの選び方
誰も教えてくれない選び方の極意とは?
Vol.35 キューバからの贈り物
リングがないシガーの正体は…?
Vol.36 リミターダの誘惑(前編)
そもそも、リミテッドシガーとは…?
Vol.37 リミターダの誘惑(中編)
リミテッドシガーが生まれた理由とは?
Vol.38 リミターダの誘惑(後編)
リミテッドの歴史を追う!
Vol.39 ベーイケの夜に
ベーイケ52をいち早くレポート!
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シャーロック・ホームズの時代のパイプとは?
Vol41 Vintage Cigar ビンテージ・シガー 前編
意外と知られていない、ビンテージシガー
Vol42 Vintage Cigar ビンテージ・シガー 後編
熟成1年でビンテージシガー!?
Vol43 シャーロック・ホームズのパイプ2 PART1
パイプ喫煙の愉しさを知ろう!
Vol44 シャーロック・ホームズのパイプ2 PART2
クレイパイプとブライヤーパイプの違いとは?
Vol45 ブライヤーの木目の秘密を探る
木目は一体どうやっててできるのか?
Vol46 パイプの構造
パイプの中はどうして黒いの?
Vol47 煙管ブーム【緊急番外編】
嶋田さんが語る!キセルの最新事情
Vol48 パイプ −最初の1本−
あなたのパイプデビューをサポート
Vol49 手巻きたばこ
紙巻きのたばこについて
Vol50 手巻きたばこ2
紙巻きのたばこについて
Vol51 手巻きたばこ3
シガレットの巻き方、シャグの詰め方
Vol52 Regional Edition
その地域でしか吸えないハバナシガーって?
Vol53 シガーダイレクト100万人突破おめでとう!
ヒロ嶋田さんが特別に寄稿してくださいました!
Vol54 Cool&Dry Smoking1
美味しいパイプの楽しみ方教えます
Vol55 Cool&Dry Smoking2
ピーターソンの優れたシステム
Vol56 パイプ喫煙を始めるために
パイプ喫煙のポイントをわかりやすく解説!
Vol57 パイプたばこの詰め方
パイプ喫煙のポイントをわかりやすく解説!
Vol58 パイプ着火
ここで味が決まる!着火のポイント!
Vol59 タンパー
タンパー、コンパニオンの使い方教えます
Vol60 シャグたばこの巻紙の話題
大人の嗜みとしてのたばこ
Vol61 タンパーの使用法1
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美味しくパイプを愉しもう!
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フェイクシガーの見分け方、教えます
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なぜパイプは咽てしまうのか?徹底解説!
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ヒロ嶋田流!パイプの吸い方大公開!
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ヒロ嶋田流!パイプの吸い方大公開!
Vol68 ヒロ嶋田のパイプ喫煙法 3
ヒロ嶋田流!パイプの吸い方大公開!
Vol69 ヒロ嶋田のパイプ喫煙法 4
ヒロ嶋田流!パイプの吸い方大公開!
Vol70 ヒロ嶋田のパイプ喫煙法 5
ヒロ嶋田流!クールスモーキングとは!
Vol71 ヒロ嶋田のパイプ喫煙法 6
ヒロ嶋田流!ドローとブローについて!
Vol72 シガースモーカーのためのパイプ
まるで葉巻みたい!不思議なブライヤーシガー
Vol73 葉巻の煙
ヒロ嶋田さんの葉巻に関するエピソード
Vol74 香りの副産物
香りがもたらす様々な効果
Vol75 たばこの未来
大人の嗜好品としてのたばこ
Vol76 キューバンダビドフの誘惑
憧れの葉巻 キューバンダビドフ
Vol77 キューバンダビドフの誘惑 後編
幻の葉巻 キューバンダビドフ
Vol78 キューバンダビドフの誘惑 宴の後
幻の葉巻 キューバンダビドフ
Vol79 なんとなくフェイク
「ニセモノみたいな気がする・・・」
Vol80 シガーソムリエの資質
その人に思いをはせてシガーの満足を伝える
Vol81 栗名月
季節の移ろいとシガー
Vol82 徳大寺有恒氏追悼
ヒロ嶋田さんから、徳大寺先生へ
Vol83 スパイス
シガーとスパイスの相性とは
Vol84 ペリクという名のスパイス
たばこ界のスパイス「ペリク」とは
Vol85 雪解けの憂鬱
キューバとアメリカ、国交正常化
Vol86 雪解けの憂鬱 2
キューバとアメリカ、国交正常化
Vol87 雪解けの憂鬱 3
アメリカとキューバの現在
Vol88 モノクロームの景色 たばこが消える日
PP法とたばこの未来
Vol89 たばこが消える日 1
喫煙業界の未来と、たばこ最後のCM
Vol90 たばこが消える日 2
たばこの広告文化の栄枯盛衰
Vol91 たばこが消える日 3
たばこから始まる、文化の終わりの予兆
Vol92 たばこと文化 1
たばこが風習から文化になるまで
Vol93 たばこと文化 2
日本で花開いた、独自のたばこ文化
Vol94 たばこと文化 3
華のお江戸で栄えたたばこ関連の仕事


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