Vol.15

いかがでしたか?
先月のコラムはバーのネタになりましたか?

今回で15回目のこのコラム。
テーマは「コヒーバの光と陰」

高級シガーといえば?という問いに真っ先に名前が挙がるブランドのひとつがコヒーバ、世界に冠たるこのブランドの輝かしい栄光の傍らには知られざる陰の歴史があった!

今月のコラムも楽しみです!

(2008年1月)




コヒーバの歴史は、現代キューバの歴史と共にある。

革命で、資本主義からの独立を勝ち得たキューバは、まず過去の遺物からの脱却を図ろうとする。
資本主義の典型である旧ブランドの葉巻を駆逐し、新生キューバ葉巻として再生しようとした。
しかし、それが葉巻のクオリティを低下させ、一時は、キューバの葉巻は、壊滅的とさえ言われた。
新生キューバとして、革命を果たしたカストロは、新しいキューバ葉巻を必要とする。

そこで、革命と共にキューバを後にした人々と袂を分かち、故国に残った者たちの力を借りて、それを作り出そうとした。
カストロの命令一過、国中で次世代の葉巻を製作できる人間を捜し始める。

そんなある日、カストロのボディガードの一人が、彼の友人が巻いたという葉巻をカストロに紹介する。
それを吸ったカストロ自身が、興味を示したことからリベロという職人にスポットライトが当たる。

リベロが巻いた葉巻のレシピを国の威信を懸けて製品にするにはまず、その名を付ける必要があった。
そこで、コロンブス一行がアメリカ発見の折に遭遇したタイノー・インディアンたちが、たばこの葉を巻いて喫煙していたという歴史に習い、「コヒーバ」と言う名前を採用する。
この名称を発議したのは、革命の中心的人物でもあり、カストロの同士でもあったセリア・サンチェスと言われている。



これがエル・ラギート、工場とは思え
ないお洒落な外観。
コヒーバが、国家的ドメスティックブランドとして、デビューするのは1968年である。
しかしそれは、長い間西側諸国の噂でしかなかった。

この国家プロジェクトは、一部の政府高官や国賓、VIPのみが喫煙を許されるものであり、製造する工場も既存の場所ではなかった。
それは、エル・ラギートと名付けられ新生キューバのフラッグシップ的場所となった。

コヒーバを我々が目にするのは、それから14年後の1982年、スペインワールドカップの年である。
このときに世界市場に開放され、瞬く間にトップブランドとなり現在に至る。
初期には、コヒーバのラインナップもわずかであった。
しかし、1992年にシグロシリーズが加わり、2007年にはマデュロ5シリーズが加わり現在では、15種類になっている。


現在シガーダイレクトでは全15種のコヒーバをご案内しています(編集部より)



さて、今まで表の歴史を書いてきた。



・・・しかし、私はこんな話を聞いたことがある。

コヒーバを製作した別の人物が、キューバ以外の国に存在するというのだ。
その人物の名前を「イリザリ」という。
私がこれを聞いたのは、シカゴのダウンタウンのシガーショップであった。
名前をジョーと記憶している。彼は、日本から来た葉巻マニアにハバナは、日本でいくらでも吸える。しかし、コヒーバを作り出した男の葉巻は吸うことが出来ないだろうと。

それから暫くして、日本のある方から面白い葉巻を手に入れたからと一本頂いたものが、同じであった。

その葉巻が、これである。


チューボを開けるとほぼロブストサイズのシガーが、リングに刻印された”IRIZARR”Iの文字が読めるだろうか。


ジョーの話によると、キューバの歴史から抹殺された男は、ある国でこれを作っているというのだ。
そして、イリザリ氏の葉巻を作るにあたって、中国人の資産家が力を貸したというのである。

詳細は、いずれこのコラムで発表しようと、武田くんと話している。それまで楽しみに待っていて欲しい。


当コラムについての著作権はすべてヒロ嶋田氏に帰属します。
お問い合わせはシガーダイレクトまで


ヒロ嶋田のスモーキートーク
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Vol.17 コヒーバの闇に埋もれた男(後編)
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ところ変われば・・・イタリアにて
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Vol.28 夏の煙管3
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