北方謙三先生インタビュー 9
インタビュアー |
「先生のお好きなシガーは何ですか?もし今吸うとしたら」 |
北方先生 |
「(即座に)チャーチルですよ。これはね、長さがちょうどいい。銀座のクラブ活動で2軒もつ(笑)。」 |
リンダ |
「(爆)クラブ活動ですね!?」 |
北方先生 |
「(笑)そう、クラブ活動。2軒もつ(笑)。
それからねえ、自宅なんかでするときは、コィーバのシグロU、V、そんなもんかなあ・・・。
あとはパルタガスもパンチもいいと思うよ。それから(シガーダイレクトのカタログをめくって)・・・これ。」 |
リンダ |
「ベガスロバイナですね。」 |
北方先生 |
「俺はね、ワインセラーで保管してんだよ。うちの母がね、海外に行くたびに2箱くらい買ってきてね、『お礼言いなさい。』って言われるから、『ありがとうございます』って頭下げるんだけどさ、俺の家族会員のカードで買うんだからさ・・・(爆)!」 |
一同 |
「(爆)」 |
北方先生 |
「しばらくしたら、俺の口座からドーンと落ちてるんだよね(笑)!『なんだよ、俺の金で買ったんじゃないか!』ってのが、ここ10年くらい続いてるんだよ(笑)。」
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インタビュアー |
「ワインセラーなんですね!以前作家の馳星周先生のエッセイか何かで、北方先生に保管方法を相談したら、教えてもらえなかった、って笑い話を読んだ記憶があるんですよ。。」 |
北方先生 |
「最初に馳が聞いてきたときにはね、『ヒュミドールとシガーカッターを買え』って言ったの。『ヒュミドールとシガーカッター』、後は自分の方法があるから、自分でちゃんとやればいいんだってね。
後はね、温度をあんまり高くすると白カビが生えてくる、タバコ虫が孵化することもある、白カビが生えてくるとね、今のシガーバーとかシガーショップって、刷毛でね、こうこすっちゃうんだよ。」 |
リンダ |
「刷毛で。」 |
北方先生 |
「刷毛で、こうシュシュっとこするわけ。実を言うとね、これやると葉巻のもっている艶がどんどん消えていくんだよね。で、熟成が止まる。」
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インタビュアー |
「う〜ん。」 |
北方先生 |
「だからね、すぐに吸う予定のない、葉巻っていうのは、実は温度を低くして10度くらいにしておくといいんだよね。徐々に、徐々に熟成させればいいんだって、俺は思ってるんだ。」 |
リンダ |
「なるほど。」 |
北方先生 |
「日本は冬と夏じゃ温度も湿度も違いすぎて、シガーに負担がどうしてもかかるんだよ。だからやっぱり電気式っていうか、ワインセラーを使うのがいいんだよね。
それとね、(シガーケースを開けるとパッケージングされたシガーが入っていました)こういう風にね、真空パック。そして中には酸素検知剤。」
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インタビュアー |
「!なるほどお!」 |
北方先生 |
「酸素が増えてきたらもう一回パックしなおす。そうすると酸化しないから、きれいな熟成が進んでいくんだよ。」 |
リンダ |
「シーラーか何かお持ちですか?」 |
北方先生 |
「いや友達のレストランで。(笑)貸せってね。食べものを真空パックするヤツなんだよ。」 |
リンダ |
「ほー。」 |
北方先生 |
「熟成をゆっくりさせるんだよ。熟成しすぎると枯れて死んじゃうからね。
女にね、『葉巻と私とどっちが大事?』って聞かれたことあるよ。」 |
リンダ |
「何て答えたんですか?」 |
北方先生 |
「当然葉巻でしょう。」
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一同 |
「(爆)。」 |
北方先生 |
「『何で?』って女の子が言うからさ、『これはね、火をつければ消えてしまうんだよ。お前、火をつけて消えてみろ、お前が煙になって消えるなら、お前を大事にしてやる、って。(笑)」 |
一同 |
「(爆)。」 |
北方先生 |
「そういう世界だよ、葉巻って。肩の力抜いてね、儀式じゃないんだから。楽しみなんだからね。」 |
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