北方謙三先生インタビュー 6

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インタビュアー 「キューバでシガー、ですね。」
北方先生 「絶対にキューバ!(笑)でもね、その頃のキューバは今以上に簡単に行ける場所じゃなかったんだよ。まだ厳しい状態で、観光化されてなかったし。
でね、面接があるんだ、それもキューバ大使の面接が。」
リンダ 「入国していいかどうか?」
北方先生 「そう。でね、俺はキューバの自然とヘミングウェイが過ごした風土を見てみたいだけだってね、本当は葉巻を吸いたかったんだけどね(笑)。」
リンダ 「(笑)」
北方先生 「それもね、モヒートというお酒がある。キューバのね。そのモヒートを置いて、スパーっと葉巻を吸いたかったんだよね。シガーもね、ダブドフのグランクリュがあればいいなあ、なんて思ってたんだよ、そしたらね、キューバ大使が言ったんだよ。
『ダビドフのドンペリニオンがキューバで一番いいシガーだと思っているだろう?でも、その上にコィーバってのがあるんだ。』って」
リンダ 「大使が言ったんですか?」
北方先生 「そう、大使が。
『ウソー!』って思ってさ、。で、大使が言うんだよ、『それは手に入らない。生産したものは、東欧圏の政府首脳に回るんだ』って。ソ連の書記長とかさ、チャウシェスクとかに回してるって、そう言うんだよ。『だから、ほとんど手に入らないけど、うまく探せば何本かは入るかもしれない。もし手に入れることができたら一本くれ』って言われてさ。(爆)
リンダ 「大使自ら!」
北方先生 「それでキューバに行ったんですよ。そしたらヘミングウェイの船長って人がまだ生きていてね。俺はその頃もうキューバのね、シガーを自分で買って吸っていてね、その頃はモンテクリストだったんだけど。で、その船長ね、おじいさんに『あなたにモンテクリストを一箱送りたい』って言ったら、『モンテクリストよりうまいシガーがあるんだ』って。
『それ、何だ?』って聞いたら、『グロリア・クバーナだ』って。
あの頃、グロリア・キュバーナは日本じゃ手に入らなかったからね。でもキューバじゃ手に入ったんだよ。で、グロリア・クバーナを一箱あげて、ヘミングウェイの思い出を取材して、ダイキリを飲みながら、じーっと葉巻を吸いながら考え事をしたりしていたんだよ。」

リンダ 「素敵ですね。」
北方先生 「ヘミングウェイが座っていた席がある、っていうんで、『座らせてくれ』って言ったんだけど、『ここだけは駄目だ』ってね(笑)。その隣に座って、ダイキリを飲みながら葉巻を吸っていたけどね。」
リンダ 「やっぱりヘミングウェイも葉巻を?」
北方先生 「ヘミングウェイはね、そんなにしょっちゅう葉巻を吸っていたわけじゃないんだよ。でもその船長はグロリア・クバーナをヘミングウェイにもらって吸ってたんだって。」
リンダ 「へー」
北方先生 「あの頃さ、ドル・ショップでしか手に入らないからさ、外国人じゃないと手に入らない。ヘミングウェイはさ、カストロ主催の釣り大会で優勝したりしたんで、特別にアメリカ人でもドルショップに入れたんだよね、で、グロリア・クバーナが手に入ったんだって。」
リンダ 「へー」
北方先生 「あのころは大変でさ、キューバに入るのにもメキシコ経由だろ?カンクンの傍からさ、で、探して探してさ。キューバ大使には『キューバの美しいところを紹介する』なんて言ったからさ、カメラマンも一緒だった。その人も一緒に探してくれてさ、探して探して。そしたら実は『これから観光に力を入れよう』って言う観光大臣がさ、『コィーバを探してる男が、わざわざキューバへ日本から来てる』って外務大臣にしたらしいんだよ。(笑)」
リンダ 「(笑)わざわざですよね!」
北方先生 「(笑)うん。大使館にお金をドルで払って、ホテルなんかももう決められちゃってるわけ。ドルショップへ行けば当然シガーも買える。でも当然コィーバなんか売ってないんだ。
で、『コィーバ欲しい、コィーバ欲しい』ってどこでも言い続けたんだよ。」


インタビュアー 「(笑)」
北方先生 「最初コヒーバ、って発音してたら『違う!コィーバだ!』って発音なおされたりしてさ。でさ、コィーバ、コィーバって言い続けたんだよ。」
リンダ 「(笑)。」
北方先生 「そしたらね、あの頃、どこへ行くにもおじさんがついて来ていたんだよね。でさ、そいうのも全員国家公務員だからさ、偉い人じゃないと、予約も取れないしダメなんだよね。で、そいつはダメだったんだよね。でもね、俺が入っていくとどこでもシーンとして緊張してるんだよ。公園に行くと、ベンチに座っているやつが立ち上がったりするわけ。
女だって側に寄ってきてさ、(俺は)『天国じゃないか、ここはあ!!』って(爆)。」
一同 「(爆)」
北方先生 「うんうん、キューバン・ダビドフだよ。その頃ね、世の中で手に入るもののうち、最上級と言われるのがダビドフだったわけ。」
リンダ 「う〜ん。」
北方先生 「おいしい葉巻って言うか、ダビドフだってさ、パルタガスだって、デュプロマットだって、ドルショップにちゃんとあったんだよ。いくらでも手に入るし、いくらでも吸えるんだよ。友達みたいに話をしたやつには一本あげたりとかさ。
なぜかもててさ、女なんか、俺を見てうっとりしてるわけ。『俺にとって天国だあ!』と思ったんだけど、男にもてるのも変だから(笑)」
リンダ 「(笑)。」
北方先生 「(笑)調べたんだよ。一緒に行った長浜さんってのは相手にもされないわけ。
そしたらね、キューバに英雄がいたんだよ。
ゲバラでもカストロでもない英雄が。スクリーンの英雄なんだよ。」
インタビュアー 「ああ!聞いたことあります!勝新太郎さんですね!」
北方先生 「そう。」
一同 「あー!」
北方先生 「キューバってさ、娯楽がなくてさ、射撃くらいなんだよ、娯楽は。後は映画。そしてどこ行ってもさ、座頭市がかかっているわけ。」


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