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Vol.2
いかがでしたか?
先月のコラムはバーのネタになりましたか?
気になる今月のテーマは
俳優、映画監督のクリント・イーストウッド
クリント・イーストウッドは、今ヒット中でアカデミー賞の呼び声高い『父親たちの星条旗』の監督でもあります。
今月のコラム、楽しみですね! |
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上左)ゴールドフィンガー
<アルティメット・エディション>
DVD発売中
2枚組 \2,848(税込\2,990)
20世紀フォックス ホームエンターティメント(2007年づけ情報)
GOLDGINGER (C)1964 United Artists Corporation and Danjaq,LLC. All Rights
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JAMES BOND,007,007 Gun Logo and all other James Bond related trademarks
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Studios Inc.
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シガレットが似合う俳優は?
文句無しにハンフリーボガードであろう。
映画「脱出」で競演したローレン・バコールもシガレットが似合う女優であった。
では、葉巻の似合う役者と本編は?
スカーフェイスのアル・パチーノ、007シリーズのショーンコネリー、アンタッチャブルのロバート・デ・ニーロか。
私の一押しはクリントイーストウッドの「ハートブレイクリッジ/勝利への戦場」である。
鬼軍曹が、駄目集団の新兵たちを鍛え上げグラナダの人質奪還に成功する物語である。
劇中、敵兵を倒してその懐を探るとチャーチルサイズの葉巻が出てくる。
それをイーストウッドが手中にしてその香りを嗅ぐ。彼はキューバ製の葉巻であることを確かめ、それをポケットに仕舞う。
アメリカは、ケネディの対キューバ政策によってキューバ製品の輸入が禁じられている。そのため、キューバの葉巻は憧れでもあるのだ。
人質奪還が成功した後、彼は、丘の上で葉巻に着火し、旨そうにふかす。
勝利を確信した宴のように。
ここでは、葉巻は敵の正体を示す道具として使われ、勝利の後の一服は、それを制圧することによってアメリカの国威昂揚を促している。
ハリウッドは、国の後ろ盾を持っていると云われる由縁である。
ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場
\2,625(税込)
ワーナー・ホーム・ビデオ
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その逸話として、バックドラフトの上映後は、消防士への希望者が引きも切らなかった。
一説によると、空軍が人を募集するために「トップガン」を作ったと云われている。
残念ながら葉巻のブランドを示す手がかりはない。
ハリウッドの映画では特定の葉巻を示すリングラベルを外して撮影を行うからである。
それでは、今回は彼がかつて映画の中で吸っていた変わり種の葉巻の話をしよう。
荒野の用心棒・完全版 スペシャル・エディション
■発売日 2006/12/22 ■税込価格 ¥5,985
■発売元:「荒野の用心棒」DVD発売委員会
■販売元:ジェネオン エンタテインメント
(C)黒澤プロダクション/(C)1964 UNIDIS S.A.R.I. |
クリントイーストウッドの出世作といえば、TVドラマ「ローハイド」である。
そのドラマを撮影していた頃、イタリアで西部劇のオファーがあった。
映画ファンならずとも一度は、その題名を聞いたことがあるだろう。
「荒野の用心棒」である。
黒沢明監督の「用心棒」のリメイク版として有名である。ストーリーはビデオででもご覧あれ。
その映画に出てくる葉巻が今回のテーマである。
映画を見ていると私たちが目にする葉巻とは感じが違っている。
細く、黒褐色の皺の寄ったボディが特徴的である。
俳優たちが吹かすたびに眉間に皺が寄るところから、ドローしにくいことがわかる。
イーストウッドはたばこを嗜まなかったが、監督のセルジオレオーネに無理矢理、口に押し込まれて撮影したという逸話も残っている。
このたばこは何であろうかと中学生のころに思ったものだった。
これがイタリア特有のドライシガーであることを知ったのは、今から10年ほど前のことだ。
呼び方は、いろいろある。
トスカーノ、トスカーニ、トスカネリetcブランドによっての名称はさまざまである。
だが、イタリア人はイタリアンシガーと総称して呼んでいる。
イタリアンシガーは、ケンタッキー種をブラジルで栽培した、黒たばこと呼ばれる葉を原料として作られている。一見、堅い木の小枝のようにも見える。
2本のシガーをぶつけてみると乾いた木のような音さえする。
味は濃く、その香りも芳醇と云うよりは、独特の臭みがある。
イタリアン・シガー う〜ん 小枝のよう・・・ |
吸い方は、真ん中をシガーカッターで切って2つにする。
その切り口をフットにして着火する。
ドライシガーではあるが、着火は難しく、ドローもきつい。
映画の1シーンでも水をかけられてまだ、形をとどめている。
普通の葉巻では、多量の水を含むとふやけて銜えてはいられない。
ここに面白い話がある。
ある商人が、たばこを売って生計を立てていた。その頃のたばこの葉は、非常に高価で庶民は、なかなか口にすることが出来なかった。
ある朝、商人はルッカという町の広場に露天を広げ、たばこの商いを始めた。
その日は快晴でたばこはよく売れるだろうと期待したが、意に反してお客はなかなか来ない。
午前中にやっと1人来たお客に慣れた手つきで、たばこの葉をくるりと巻いて手渡すとそれっきり暇になってしまった。仕方がないので、近くの露天の店主と世間話に興じていたが、突然空がかき曇りバケツをひっくり返したような雷雨が襲ってきた。
商人はあわてて、たばこの葉を仕舞おうと戻ったが、ときすでに遅く葉はすべてびしょ濡れになっていた。これでは商売にならないと嘆いていると空は、すぐに日が差してきた。
濡れたままでは商売にならないのでそのまま乾かしていると、強い日差しに照らされた葉は、水分の蒸発と共に良い匂いを立て始めた。
そのうち葉の水分は飛んでしまったが、葉には良い香りが残った。
一度濡れた葉では売り物ならないので、周りにいた人々にたばこの葉をくるりと巻いて吸ってもらおうと配って帰途についた。
それからしばらくして、商売のためにまたあの広場を訪れたところ先日配ったたばこのことを皆が口々に誉めてくれる。
不思議に思って自分で巻いて吸ってみると味わいが深く、素晴らしい香りがする。
それからは、葉を水で濡らし、乾かすという行程をおこなってたばこを吸うようになった。
この話は、ここで終わっている。話の中にたばこの製造過程の歴史が見え隠れする。
突然の雨に打たれた葉は、その後すぐに太陽に焙られて良い匂いを発する。
これは、たばこの発酵を表している。
そして、発酵した葉をしばらく放置する事によって熟成が促されたことを示している。
ルッカという町は今でもトスカーナ地方に現存しているらしい。
イタリアの古い民話である。
友人の逸話を紹介しよう。
彼は、ジッポーライターの鑑定では日本1と言われている。
その彼が飛行機で起こした珍事。
たばこを愛する彼は、アメリカまでの10数時間のフライトが苦痛でしょうがない。
そこで、搭乗前にイタリアンシガーを何本も吸ってニコチンの補給をする。
が、機内で何時間も経つとまた吸いたくなってくるという。
そこで彼は、イタリアンシガーの吸い差しを持って機内へと乗り込む。
そして、我慢できなくなるとそれを銜え、吸い口から葉巻に残ったジュースを吸うのだ。
ある時、それを見つけた客室乗務員が猛然と抗議のためにやってきた。
彼女曰く「Sir ,Are you smoking?」かなり怒った表情である。
彼はそのときすました顔で「No, I'm eating.」と答えた。
彼女は、その様子を見て笑い転げて去っていった。
画像協力; 20世紀フォックス ホームエンターティメント/ワーナー・ホーム・ビデオ/ジェネオン エンタテインメント |
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