武田 ネットで確認しても、本当に多岐にわたる活動をしていらっしゃいますよね。特にネットではザ・コンランショップを日本に展開した頃の話がよく出てきます。 |
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後藤さん 元々博報堂という広告会社でマーケティングやモノづくりをやっていました。ですからモノに対して興味がありました。インテリアから小物に至るまでのモノです。そこで、インデックスギャラリーというお店を始めました。そのお店の商品はすべて自分の目で選びました。そういうやり方を「テイスト・マーケティング」と言うんです。今で言う、いわゆるセレクト・ショップですね。そんなお店は、その当時ほとんどありませんでした。 |
武田 どちらに出されたんですか? |
後藤さん 渋谷の並木橋です。30坪くらいの小さなお店が一号店でした。その後、「これはいい」ということで外苑前に130坪くらいのお店を出しました。ザ・コンランショップはサー・テレンス・コンランの目で見たインテリアのショップです。たまたま僕のインデックスギャラリーも同じ形態だったんです。僕のテイストの中で商品を選び、提案していくという形態で。 |
武田 そういうところも後々のザ・コンランショップの導入にはよかったんでしょうね。 |
後藤さん そうでしょうね。インデックスギャラリーの中にはカフェもありました。扱うすべてが、いいデザインという切り口で統一されていました。そんなことを始めたところ、「日経デザイン」に取り上げられたんです。これが大きなきっかけでした。東京ガスが新宿にビルを建てるときに、たまたまその記事を見たんです。 |
武田 「日経デザイン」の記事が目にとまったんですね? |
後藤さん そうです。そして僕のところに訪ねてこられた。「あそこにビルを建てるんだけれども、大きなスペースで何をやったらいいか、提案してもらえないか」という話を持ってこられました。その際、いくつか提案した中にザ・コンランショップがあったんです。 |