▲司馬遼太郎賞を受賞した、北方先生の『水滸伝』・・・
モデルは実は!?
▲「実際に世界で革命が起きているんだ、という
のは実感としてありましたね。」
▲キューバの革命博物館にあるグランマ号
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―さて、今日は『杖下に死す』、文庫化されたばかりの続編『独り群せず』についてお聞きし、北方先生の魅力に一歩でも迫りたいと思います。よく先生の『水滸伝』、『三国志』にスポットがあたりますが、こんな魅力的な作品が他にもあることをご紹介したいと思っています。 |
北方先生 フフ。 |
―この2作品を選んだのには、2つの理由があります。
この「独り群せず」は今年文庫化された近著であることが理由の1番目です。
そして「杖下に死す」の帯にもう一つの理由がありました。 |
北方先生 何て書いてあったっけ? |
―「幕末前夜、商都・大阪、救民への情熱と、二人の漢の絆」です。私は「これはひょっとしてキューバ革命がモチーフで、カストロとゲバラではないか」とおめでたい誤解をしてしまいました。読んで違うのに気づいたんですが。
(※北方先生がキューバに最初に行ったときの話は有名。詳細はこちらから>>>) |
北方先生 フッフッフ。実は水滸伝がカストロとゲバラなんです。 |
―えー!そうなんですか?! |
北方先生 晁蓋(ちょうがい)という棟梁がいて、それがゲバラ。早めに死んでしまうんだよね。宋江(そうこう)がカストロ。梁山泊がキューバ島。周りの宋がアメリカなんだ |
―なるほど!ただ、キューバで革命が起こった、とか人が蜂起したとか、そういうことが『杖下に死す』にもどこか影響があるんじゃないか、と思ってしまいます。 |
北方先生 キューバ革命というのは、1959年に起きているんですよね。わずかな人数で上陸して、少しずつ仲間を集めてバチスタの政権を倒した。バチスタはアメリカが後援していた。だから局地的にはアメリカを倒した、と言っていいんだろうけど、それが僕が小学校の高学年だった頃なんですよ。 |
―ホントにリアル・タイムですよね。 |
北方先生 うん。実際に世界で革命が起きているんだ、というのは実感としてありましたね。大人たちの話でもよく出ていたし。 |
―そういう体験が影響を与えた、ということでしょうか。 |
北方先生 それは自己形成に影響を与えるということはあったと思いますね。大学になったときに、「革命なんて起きるわけないじゃん」とか言ってたヤツもいたけど、「現にキューバで起きてるじゃないか」って思ったもんなあ。 |
―それは人の力、パワーのようなものを意識したということでしょうか。 |
北方先生 最終的にはそうだよね。人の力。でも時代の流れみたいなものも必要なんだよね。 |
―私たちも今年の2月にキューバに行きました。そのときに、カストロやゲバラが乗ってキューバへ上陸した船、グランマ号を見ました。小さな船でしたので、なんだか驚きました。これが革命を起こすオープニングを飾ったのか、という感じで。
(※2010年2月の「リアル・シガー・ツアー!」 詳細はこちらから>>>) |
北方先生 ある程度は準備はできていたんだけどね。
最終的にはあの船でキューバに上陸できたのは、12人だからねえ。 |