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▲M氏イメージ(笑) |
「Mちゃん、シガー試してみる?」
悪魔の囁きであった。
あれは2年前・・・・その日、「甘い生活」を上梓された直後のシマジさんは、いつにも増して上機嫌だった。
広尾のマノアでイノシシのカツレツに舌鼓を打ちながら、英雄、文化論、ダンディズム、オ○ニー等、男の人生の機微について大いに語りあった後、
サロン・ド・シマジにて、一本50万円はするであろう伝説のシングルモルト「マッカラン・レッドリボン」を振舞ってくれた。
グラスを傾け、その静謐で芳醇な香りに酔っていた私に、シマジさんが冒頭のセリフを囁いたのだった。
「どうせ味など分からないからもったいないですよ」と固辞するシガー童貞の私に、またもや悪魔が囁いた。
「知る悲しみは、知らない悲しみよりも上質なんだよ」
そして、ゆっくりと私の前に一本のシガーが差し出された。(後にこのシガーは、「パルタガス・ショーツ」という名前であることを知るのだが)
慣れない手つきで火をつけ、一口吸ってみる。桃源郷のような甘美な香りが鼻を抜ける。体中を電流が走った!
「これから毎日上質な煙に燻されれば、Mちゃんも立派なジェントルマンになれるよ」
シガー童貞を捨て、初体験以上の衝撃に身を震わせている私を見て、シマジさんは満足そうであった。
悪魔は決して急がない。イノシシとレッドリボンで私のコンディションが出来上がるまで、ゆったりと待ち構えていたのである。
しかし、当時、私の会社は経営が傾き、月給は減り、ボーナスもなくなっており、とてもシガーに手を出す余裕はなかった。
私は右脳全開の脳細胞を、必死に左脳モードに戻した。
「でも葉巻を保管する箱とか持ってませんし」
「大丈夫。オレが昔使っていたヒュミドールをあげるから」
「でも葉巻高いんでしょう?」
「大丈夫。オレのえこひいきで、シガーダイレクトの武田ってやつを紹介するから。こいつから買えば40%オフになるからさ」
かくして、徳川家康以上に老練なシマジさんに、いとも簡単に外堀を埋められたわけである。
そして3日後、30年前のダビドフのヒュミドール(100本入り)が我が家に届けられた。
恐らくシマジさんが何万回と開閉をしたであろう、30年前の代物にもかかわらず、蝶番はしっかりとしており、スムースに開閉が出来る。
今後、私も30年は使えそうな状態で、ダビドフの職人技に脱帽してしまう。
尚、後日、銀座のダビドフで写真を見せたところ、珍しさに店員が皆集まってきた骨董品である。
さらに一週間後、目の前にただならぬ雰囲気の男が現れた。
ガッシリとした体つき、中折れ帽を被り、ストライプのダブルのスーツを纏い、尋常でない目つき・・・
映画「アンタッチャブル」のギャングがそのまま抜け出てきたような雰囲気の男である。
男がふと懐を探ったので、思わず「拳銃か?」と身構えたが、名刺であった。
「はじめまして。シガーダイレクトの武田です。シガーのことは何でも聞いてください」
シマジさんに続く、二人目の悪魔だった。
武田さんは見た目とは裏腹に、やさしく囁いた。
「最初は週に1本位のペースで、ゆっくりと始めてみてくださいね」
「あせらずゆっくりと、気に入った一本を見つけてくださいね」
悪魔は決して急がない。映画「エイリアン」のように、相手に悪魔の種を植え付け、ゆっくりと育つのを待つのだ。
私の中の悪魔はゆっくりと育っていった。そして「エイリアン」のように、私の胸を突き抜けてしまった。
当初は、週に1本のペースだったものが、今や毎日1〜2本のシガーを灰に変えている。
そしてシマジさんに頂いた100本入りのヒュミドールだけではとうてい足りなくなり、現在我が家には3つのヒュミドールがあり、
そこに入りきらない二十数箱のキャビネがジップロックで保管されている。その数は増える一方で、押し入れを圧迫しはじめている。
もちろん全てシガーダイレクトで買ったものである。
そのシガーダイレクトの訪問者が百万人を超えたとのこと。
シガー輸入サイトの草分け的存在で、サイトのオープンが2004年であることを考えると、
決して急速に広まったわけではないだろう。
そう、悪魔は急がないのだ。ヒュミドールの中のシガーのようにゆっくりと熟成するのを待っているのだ。
そして、今後もゆっくりとゆっくりと「知る悲しみを知る」男たちを増やし続けていくことであろう。
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▲上岡様ご自慢のウォークインヒュミドール
100万人達成おめでとうございます。
葉巻のすばらしさ、楽しさ、難しさ、全てにはまっています。
シガーダイレクトの皆様の普及に対する情熱、努力にお礼を申し上げます。
今後は日本でもさらに葉巻のイメージアップをお願いします。
葉巻と食事が楽しめるお店を皆さんで情報交換で盛り上げて、より良い
未来を作って行きましょう、私も影ながらご協力させていただきたいです。
▽上岡様サポーター訪問
「ウォークインヒュミドールを作っちゃいました!」
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▲スモーキートークでお馴染み、ヒロ嶋田さん
シガーダイレクト百万人突破を記念して、これまでの思い出を交えながら今回のコラムを認めてみよう。
シガーダイレクトという会社が、シガーパーティを行うことをパイプクラブの先輩より聞かされたのは、会の10日ほど前だった。その当時、100人以上を集客するのは、無謀だというのが下馬評だった。実際、スタッフに聞いたところによるとパーティのギリギリまで、集客に苦労したそうだ。その筆者も、そのときには自分が参加するとは、全く想像もしていなかったが、講演の依頼、突然やってきた。
依頼はされたが、どのような内容にしようかと困っていたところ、ある方に葉巻の真贋とクオリティについてはどうだろうと勧められ、話した経緯がある。講演では・・・
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ヒロ嶋田さんご紹介
長くシガーダイレクトのシガーアドバイザーをつとめてくださったヒロ嶋田さん。シガーに関する専門コラムである「スモーキートーク」は、シガーダイレクトの各種ページの中でも常時ベスト3に入るほど、固定のファンがいらっしゃいます。
「なんでも鑑定団」の喫煙具鑑定士さんも「あいつの舌は特別」とおっしゃっていたのをお聞きしたことがあります。 |
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・シガーダイレクトのスタッフへのメッセージ
・シガーダイレクトとの思い出
・シガーダイレクトで手に入れたシガーを吸ったときのエピソード
・そんなシガーが彩る恋の(仕事の・楽しかった、つらかった等)思い出
等、なんでもお待ちしています!
いただいたメッセージの中から抽選で、記念の粗品をプレゼントいたします!
お待ちしています!(締め切り 9月30日) |
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