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馳先生 ほら、これはとうもろこしのスープ。
シマジ会長 濃厚でおいしいねえ。
馳先生 俺がシマジさんに連れていってもらったお店でうまかったのは、浅草の鴨屋。あそこで食った熊肉はうまかった!最初見たときは「なんだ?脂身ばかり」と思ったけど、これを一口食ったら!
シマジ会長 あの野生の熊は脂身がうまいんだよな。しかし、このお店は負けてないよ。
そして、肉も凄いけど、野菜の味が凄いね。
馳先生 うまいでしょ?
シマジ会長 一度聞こうと思ってたんだけど、馳ちゃんの最大の発明はジップロックだよ。
馳先生 ジップロックって、いろんなものによくて、酸素が少ないせいかタバコ・ビートル(虫)が孵化しないんだよね。
シマジ会長 なるほど。
馳先生 今まで冷凍庫で凍らせたりしてたけど、そんな面倒くさい作業もいらなくなったんだよね。
シマジ会長 昔はシガーの虫に随分悩まされたよ。
馳先生 昔はヨーロッパから送られてきたら、すぐにジップロックに入れて、2日は冷凍庫、そこから出して上の冷蔵庫のほうで3日くらい寝かせてゆっくり解凍って作業をやってたよ。そこまでやってヒュミドールに入れたんだけど、今そんな面倒くさいことしなくてもいいから楽。
シマジ会長 昔はひどかった。葉巻虫にやられたら、穴を指でふさいで吸ってたよ(笑)。
馳先生 2002年くらいに改革されてるから、そのときくらいに葉巻虫の対策も一応やったのかもね。
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シマジ会長 そもそも馳ちゃんは自分でジップロックを考えたの?
馳先生 いや、あれを考えたのは俺の友達。いっぱい葉巻欲しいけどウォーキング・ヒュミドールとか作れないし、どうしたらいいんだ、と悩んだんです。それで発酵の仕組みとか調べてね。「葉巻はなぜ長く保管するとうまくなるのか?」というテーマの答は「発酵するから」なんだよね。
シマジ会長 なるほど。
馳先生 菌やら何やらが酸素と結びついてね。
タケダ それが真実なら、シマジ会長のヒュミドールにしばらく入れておくと、シガーが美味しくなる、という理由が説明つきますね。
シマジ会長 そうか。タケダ、じゃ俺のヒュミドールにお前のシガーを入れておいていいぞ。
タケダ 嫌です!無くなるじゃないですか。
シマジ会長 ガッハッハ。
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馳先生 発酵させてうまくしたいわけですから、真空パックは論外なんですよ。
シマジ会長 真空パックは熟成を阻害するからね。
馳先生 そうなんです。真空パックでやるなんてダメだよ。で、行き着いたのがジップロック。「適度に酸素があっていいんじゃない?」くらいの思いつきが最初。彼は10年くらいやって、確かめたんだよね。
シマジ会長 そして確信したんだ?
馳先生 そう。俺もやって確信した。俺の場合は2重に入れるんだよね。まず1枚は自分の手だけでなるべく空気を抜くようにして、でも自然な感じで閉める。
シマジ会長 その段階で空気は入っているんだね?
馳先生 そう、微量ね。さらに余計な空気が入らないよう、もう1つジップロックを用意してその中に入れるんだよ。アメリカのヘビーデューティ用ジップロックを使う。実は葉巻自身が湿度を持っている。だから、その湿度で緩やか〜に、緩やか〜〜に熟成が始まるんです。10年くらいたってジップロックを開けるでしょ?
シマジ会長 10年は開けないの?
馳先生 開けちゃだめ。10年たって開けたときの香は・・・ふわあっと・・・ね?開けたときの幸せな香りは凄いよ。特に強めのシガーね。ボリバール、パルタガス、アップマンといったシガーはいいよ。
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