【10】「タケダと話をしてきてくれ」

シマジ会長　ところで眞（マコト）と食事しただろ?

タケダ　「たまには食事でもしましょう」と連絡があって、おでん屋さんに。

シマジ会長　うまかったか?

タケダ　ええ!「新橋のおでん屋さん」っておっしゃるから、てっきりガード下のお店みたいなイメージで行ったら、反対方向の銀座8丁目、クラブ街のど真ん中の凄いお店でした。

シマジ会長　俺が紹介した店なんだよ。

タケダ　え?

シマジ会長　あの頃体調もよくなかったし、「マコト、俺の代わりにタケダと話をしてやってくれ、あいつ、何か悩んでいる顔をしているぞ」と頼んだんだよ。

タケダ　えー!

シマジ会長　「とにかくお前が力になってやってくれ」と頼んだから大丈夫だ。何かあっても、お前を応援している男は多いよ。

タケダ　シマジ会長のおはからいだったんですか?なんかもの凄く感動しています。

シマジ会長　フフ。

タケダ　まあ、結局話はなんてことはない子どもの話とか、関西と関東のおでんの違い、とかでしたが。

シマジ会長　そうだな、男の話なんてそんなもんだ。

タケダ　途中シマジ会長からお電話がありましたが、そのときの佐藤さんの携帯の着信音はスターウォーズのダースベイダーのテーマでした。

シマジ会長　ガハハ。

タケダ　私もシマジ会長の着信音を設定しますかね。

シマジ会長　何にするんだ？

タケダ　・・・「仰げば尊し」しか思い浮かびません。

【11】無礙自在な男になれ

シマジ会長　（笑）。じゃ、俺が卒業記念にお前に次のテーマを与えよう。

タケダ　なんですか？

シマジ会長　「無礙自在（むげじざい）」という言葉をタケダに贈る。

タケダ　「むげじざい」、どういう意味ですか？

シマジ会長　文豪柴田錬三郎先生の作品「赤い影法師」中に柳生但馬守の口を借りて使った言葉なんだ。

タケダ　どういう意味なんでしょう？

シマジ会長　「礙（げ）」というのは、行く手を遮るような石のことなんだな。だから、「無礙」とは妨げるものなく自由であることを指す。なんにもとらわれず、自由であれ、ということだ。

タケダ　いいですねえ!

シマジ会長　これからは「こうあるべきだ」というものにもとらわれず、自由自在にやってみたらいい。そこに不安も恐怖もあるかもしれないが、その　闇は「輝ける闇」だぞ。さあ、タケダも行け。また会おう！