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リアル・シガー・レビューとは・・・ 大人気のコラムニスト、シガーダイレクトクラブ会長の作家、島地勝彦さんを囲んで、愛と毒舌のシガー レビューをお届けします!ファン垂涎の秘密のBar、サロン・ド・シマジで、毎回クラブメンバーを一名ゲストとしてお呼びし、あっちに脱線、こっちに脱線の比較テイスティングをお愉しみください!こんなレビューが読めるのはシガーダイレクトクラブだけです!

さあ、今月のゲストはどんな方でしょう…?!





 シガーダイレクトクラブメンバーファイル

Cigar Direct Club Member Profile No.15
 徳大寺有恒さん

1939年(昭和14年)11月14日生 - 2014年(平成26年)11月7日)は、日本の自動車評論家。著書「間違いだらけのクルマ選び」が大ヒットし、有名に。元・レーシングドライバー。享年74歳。

(注)12月号は緊急で行った内容です。時期は早いものの、特別な内容だと言うことで、公開することをご了承ください。
【1】徳大寺有恒先生 逝く
島地勝彦会長(以下シマジ会長) 諸君!この号が手元に届くころにはみんな知っているだろうが、シガーや男の文化まで語り、ベストセラー「間違いだらけのクルマ選び」で一時代を築いた自動車評論家徳大寺有恒先生が亡くなった。敬意をこめて「徳大寺さん」と呼び、その死を悼みたい。

タケダ 本当は年末だから、「2014年を斬る!」という予定だったんですよね。

シマジ会長 俺にとっては今年最大のニュースだよ。だから、ここに徳大寺さんの席も作っている。今月のゲストは徳大寺さんだ。

タケダ わかりました。

シマジ会長 クラブの今月のラインナップもあわせて変更したんだよな?

タケダ 徳大寺さんがいつもオーダーされていたモンテクリストNo.2とパルタガスセリーD No.4のどちらかが入っているはずです。

シマジ会長 メインはモンテNo.2にしよう。どちらが入っているかはお楽しみだ。モンテNo.2はこの間吸ったような気がするが、追悼だから気にしない。みんなで一緒に吸って、その間は徳大寺さんのことを考えよう。

タケダ 死因は急性硬膜下血腫、74歳だそうです。


【2】「徳大寺先生の奥様に電話しよう」
シマジ会長 タケダ、徳大寺さんの奥さんに電話して、亡くなられたご様子を聞こう。

タケダ わかりました。電話してみます。

タケダ ・・・あ、徳大寺様の奥様でしょうか。シガーダイレクトのタケダです。島地勝彦さんとご一緒なんですが、先生の亡くなられたときのご様子をお聞きしてよろしいでしょうか。

シマジ会長 シマジです。本当に僕はショックでびっくりしました。ご愁傷様です。

電話の徳大寺先生奥様(以下奥様) 最後はお寿司を食べたんです。
    
シマジ会長 11月6日ですね?美食家だからねえ。
   
奥様 美味しそうに食べていました。私も兄弟も一緒だったんですが、一番食べたのは徳大寺でした。
   
シマジ会長 そうですか。
   
奥様 非常に機嫌もよかったんですが、玄関で転んで。でも「眠たいから先に寝る」とはっきり言ったんです。
   
シマジ会長 それが急性硬膜下血腫になったんですね?
   
奥様 寝たんですがいびきが凄くて、「これはおかしい」と思いました。そしたら戻して。

シマジ会長 嘔吐されたんですね?
   
奥様 救急車をすぐに呼びました。でも眠るように息をひきとりました。
   
シマジ会長 うん、うん。(目頭に浮かんだ涙を拭いながら)ある意味ではよかったですねえ。徳大寺さんらしい素晴らしい亡くなり方だと思います。誰かの手を煩わせることなかった。最後までダンディです。

奥様 シマジ様に一つお願いがあります。雑誌「ベストカー」12月10日号(講談社)に徳大寺が最後の原稿を書いています。これに島地さんのことを書いているんです。読んでいただけますか?

シマジ会長 (絶句)・・・そうですか、ありがとうございます。すぐに買います。
   
奥様 ありがとうございます。
   
シマジ会長 私は一生徳大寺さんのことを忘れませんから。本当に、本当にありがとうございました。(涙を拭いながら電話を切る)

【3】「ベストカー」絶筆に描いたシマジ会長との友情


「ベストカー12月10日号」講談社 

タケダ 凄いですね。徳大寺さんはシマジさんにメッセージを残されたんですね。

キンパツ君 そこのコンビニで買ってきました!

シマジ会長 おお!ベストカー!気が利いているじゃないか!?どんなことを書いているんだろう。・・・。




 友人でシガー好きの島地勝彦がペンブックスから「Salon de SHIMAJI バーカウンターは人生の勉強机である」を出版した。多くの若い人に読んでもらいたい良書だ。島地氏は私より2つ若いが同年代といっていいだろう。『週刊プレイボーイ』の編集長を務めた敏腕編集者として有名だ。

 この本には男として持つべき最低限の常識とマナーが書かれている。男たるもの、この本に書かれていることを理解できないとしたら、そいつは悲しむべきだと思う。男はどんなものに心を動かされるのか?そいつを理解することが重要だ。

 きっと皆さんはテールランプを見ただけで、その車の名前を言えるだろう。しかし、それがどうした、そんなことはいかばかりの価値があるのか、と考え直してもらいたいのだ。

 本書には最近重んじられなくなった“教養”が語られている。こいつが実は生きていく上で重要なのだ、ということを教えてくれる。生きるだけなら、それほど難しくないだろう。しかし、その人生が楽しいか、つまらないかは重要だ。そして、楽しいと思わせてくれるものが教養だ。そして、楽しいと思わせてくれるものが教養だ。教養はIQではない。IQだけでは教養は得られないのだ。

 島地さんは岩手県で育ったとお聞きする。上京してから多くを学んだのだろう。特に友人、先輩から学んだのだろう。教養は、本を読むことだけでも手に入れられない。やはり、友人や先輩を時に手本とし、時に意見され、学びながら身につけていくものだろう。もし、自分の周りに尊敬できる友人が少ないと思ったら、どうしたらいい友人が得られるか考えるべきだ。
 (徳大寺有恒 「ベストカー」講談社)

タケダ ・・・最後の手紙のようなものですね。こんな男の別れ方もあるんですね。友達だ、と書いてあるじゃないですか。

シマジ会長 (目頭を拭いながら)せつないなあ・・・。本当にショックだったよ。徳大寺さんに葉巻を教えたのは俺なんだよ。思い出は一杯だ。徳大寺さん、今日は一緒にシガーを吸おう。クラブの同志諸君も一緒に偲んでくれ。点数をつけよう。

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