Vol.23 いたりあ紀行(後編)

いかがでしたか?
先月のコラムはバーのネタになりましたか?

23回目のこのコラム。
今回のテーマは前回に続き「いたりあ紀行(後編)」

地球の裏側で同じようにシガーを愛する人々。
イタリアのシガー事情をヒロ嶋田さんに
教えていただきましょう!

今月のコラムも楽しみですね!


(2009年2月)


ミラノ中央駅でユーロスターを待っている間、行き交う人々を眺めていた。
するとあちらこちらから紫煙が上がっている。
イタリアでは、公共の場所での喫煙は、禁止のはずだ。
しかし、誰も気にする様子はなく、自然に任せている。

そして、それはユーロスターに乗車してからも続いた。
ファーストクラスの車内で、発車を待っていると50代の男性が、イタリアンシガーを銜えて歩いてくる。
車内での喫煙かと見ていると、視線に気が付いたのか彼は、火がついていないとジェスチャーを交えながら説明してくれた。
周りを見渡すと誰も気にしている様子はない。

以前に友人が、機内で葉巻を銜えて騒ぎになったことを書いた。所違えば・・・、イタリアとは、何と大らかな国だと改めて感じた一幕であった。



タバッキの入り口
フィレンツェに到着してホテルへと直行し、街へ繰り出した
のは夕方になってからだった。
滞在するホテルが、中心街から少し離れた場所にあるので、散策ついでにぶらぶらと歩いて町中まで向かった。
通りの名前を見るとサン・ガロ通り(Via S Gallo)とある。

ミラノとは違い、地方都市らしい街の雰囲気の中落ち着いた佇まいの建物が、印象的だ。
アスファルトで覆われているのは、太い道路で中心部から放射状に延びる道は、石畳だ。通りには、様々な店が並んでいる。
その中にタバッキ(TABACCHI)=たばこ屋を見つけた。中に入るとシガレットの横にヒュミドールが置いてある。中にはハバナが何種類かとイタリアンシガーが見て取れる。

シガーやシガレットの他は、小物や雑貨を売るのみだ。シガレットは、1箱4〜5ユーロほどで、日本より高価だ。
しかし、お客がいるから店を営んでいけるのだろう。
それだけたばこ文化が浸透しているということだ。

その店で、イタリアンシガー専用のシガーケースを見つけた。
イタリアでは、ハバナよりイタリアンシガーの需要が高い。
そのため、様々なデザインや色のものを見かけたが、フィレンツェの紋章が入ったケースを買い求めてきた。
これが買ってきたシガーケース、フィレンツェの
紋章が入っているのが分かるだろうか?
フィレンツェで見かけたカップル
パイプをくわえる姿がサマになっている



フィレンツェ市内をベースにして、いろいろな場所を見物した。
その一つであるキャンティのワイナリーを見学するツアーに参加したとき、面白いことを感じた。
ツアーは、フィレンツェに到着してから申し込んだものあったので、ツアーの選択言語は英語・フランス語・ドイツ語であった。
フランス語とドイツ語は無理と英語ツアーに申し込み参加した。
当日、参加者は英語を母国語にする人々が中心で、英語が苦手な筆者は、居心地が悪かった。
それでもツアーの参加者とワイナリーを訪ね、一緒に食事をするうちに打ち解けて、片言の英語で、会話を楽しんだ。
時間は瞬く間に過ぎ、帰りのバスで、ふと気が付いたことがあった。
参加者は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、メキシコなど多彩だった。しかし、誰一人としてたばこを吸わない。

たばこを嗜んでいるのは、イタリア人の運転手と私だけだった。
ツアーの参加者が、総勢30名もいてだ。
フィレンツェの市内で、たばこやパイプを楽しむイタリア人を見てきた後だけに対照的すぎて可笑しい光景でもあった。


イタリア人は、シガレットをフィルターのぎりぎりまで吸うのが、普通だ。
また、吸い方も猫背でせわしなく喫煙し、神経質に灰を落とすような典型的日本人の吸い方を見ることもなかった。
もちろん、シガレットの価格のせいもあろうが、たばこを吸う行為を楽しんでいるかのようにも感じる。
それは、たばこ以外でも感じたことだ。

それを享楽的と捉えるか、人生を楽しんでいると捉えるか。
少なくとも筆書よりは、人生を謳歌しているように思う。



フィレンツェの道
フィレンツェの市内を観光していて、素敵なワインバー兼リストランテを見つけた。
昨年の9月末にオープンしたばかりだ。従来のイタリア料理とは、一線を画した料理を提供してくれる。
スタッフも陽気なイタリアンが、揃っているので楽しい一夜を過ごせるだろう。
「quantobasta」http://www.quantobasta.eu/

最後に通訳兼案内をしてくれたパートナーに感謝して、この項を終わる。



当コラムについての著作権はすべてヒロ嶋田氏に帰属します。
お問い合わせはシガーダイレクトまで


ヒロ嶋田のスモーキートーク
バックナンバー
Vol.1 7C‘s
7つのCとは・・?
Vol.2 クリント・イーストウッドとシガー
シガーの似合う俳優といえば・・
Vol.3 Cigar in the movie
映画の小道具としてのシガー
Vol.4 Humidor
ヒュミドールってなんですか?
Vol.5 Humidor2 "Keep your cigar"
葉巻をおいしく保管しましょう。
Vol.6 What is Cigar?
葉巻とタバコの違いって?
Vol.7 What is Cigar 2?
タバコの葉、見たことありますか?
Vol.8 What is Cigar 3?
たばこの価値はどれくらい?
Vol.9 What is Cigar ? 4
葉巻に潜む脅威!その名も「葉巻虫」
Vol.10 Tobacco Leaves
たばこ畑って、まだ都市圏にもあるんですよ。
Vol.11 This is Cigar
実は美味しいショートフィラー。
Vol.12 This is Cigar2
おいしい葉巻は職人技が支えてるんです。
Vol.13 葉巻の色は?
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Vol.14 葉巻を造る
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Vol.15 コヒーバの光と陰
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Vol.16 コヒーバの闇に埋もれた男(前編)
コヒーバの知られざる影とは?
Vol.17 コヒーバの闇に埋もれた男(後編)
コヒーバの知られざる影とは?
Vol.18 葉巻の香り
葉巻とお酒のマリアージュ!
Vol.19 葉巻の保管(夏編)
夏の湿気対策は?
Vol.20 All About Dupont(前編)
いつかはデュポン
Vol.21 All About Dupont(後編)
ライターと映画の関係
Vol.22 いたりあ紀行(前編)
地球の裏側で見たタバコ文化
Vol.23 いたりあ紀行(後編)
ところ変われば・・・イタリアにて
Vol.24 「褻」と「晴れ」
シガーとハレの関係とは?
Vol.25 宴の後
宴(ハレ)の後・・・
Vol.26 夏の煙管
日本の技術が支える!独自のたばこ文化
Vol.27 夏の煙管2
刻みたばこってこんなに細いんです
Vol.28 夏の煙管3
煙管のメンテナンス
Vol.29 夏の煙管4
煙管の吸い方
Vol.30 クリスタルヨットクラブにて
シガーダイレクトクラブクラブミーティングに参加して
Vol.31 煙管5
夏だけじゃない、着物に煙管を粋に合わせるには?
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Vol86 雪解けの憂鬱 2
キューバとアメリカ、国交正常化
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Vol91 たばこが消える日 3
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Vol93 たばこと文化 2
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Vol94 たばこと文化 3
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